北京郊外の独立住宅内外装(390㎡、地上2階地下1階)。もともと別の設計者がスペイン風ヴィラを設計していた物件を、躯体まで立ち上がったところで引き継いで現代的なものにした事例。窓の位置を変更し屋根のひさしを切り、外装材を塗装からブロックに変えるなど躯体を変えない範囲内で外装も全面的に変更している。もともと東側と南側に吹き抜けがあったので、その吹き抜けの内外部に同じ屋外用フローリングをしてL型に建物を貫通する中庭を作った。小さい空間に分割されていた2階も、水周りを真ん中に寄せて壁際に長い視線の抜けを確保したり、間仕切りを不透明の壁でなくガラス+ブラインドにすることで少しでも空間を大きく感じられるような工夫をしている。
ここ北京では破壊と設計のサイクルがとても速く起きていく。 このプロジェクトは、施工業者を決めて建設が始まり竣工するまで、全ての施工工程に3ヶ月かかった。行政機関がこの地域を取りこわすと決めて、ある日建物に「取り壊し」という印がされてから、やはり3ヶ月後に建物は取り壊されてしまった。このような建物のハイ•スピードな新陳代謝こそが現在北京で起きていることであり、それはこれからも続いて行くのだろう。

 


プロジェクト名:
運河岸的院子
設計:
BMA北京松原弘典建築設計咨詢有限公司
設計担当:
松原弘典、黄竣
所在地:
北京市通州区
延床面積:
390平米
設計時間:
2003年1月-2003年6月
竣工:
2003年10月
施工:
甲方自理
施主:
泰和集団
撮影:
曹扬