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●五線譜の上の波状屋根
本案は、五線で分割された敷地に波状屋根の建築が分散配置されてつくられる、海洋文化と流行音楽の文化センターである。
敷地は、水と地面の接する場所であり、我々の設計はこの場所を、地上と海上の中間的な場所にしたいと考えた。堅くて不動の地上世界でなく、柔らかくて浮遊した海上世界でもない。地上世界と海上世界の接触する中間世界を計画した。敷地を5本の線で4つの地帯に分割し、そこに波状屋根の建物を設置することで硬さと柔らかさが同居した公共空間をつくる。波屋根は水面のようでもあり、波屋根の下の空間は水中のようになる。
各機能を満たす諸室は箱になっており、これらの箱は五線譜の上に浮かぶ音符のように4つの地帯の上に自由に配置され、それらをつなぐような波状屋根がかけられる。屋根と下の箱とのすき間は公共空間となり、利用者を引き寄せる。
敷地は海に面した細長いコの字をしている。与えられた多くの機能を大きく3区に再分類(Ⅰ区:音楽区、Ⅱ区:海洋文化区、Ⅲ区:商業区)し、敷地内に広く展開させることで、敷地内のどこにいても海を感じられる施設をめざした。
波屋根の下の箱は鉄筋コンクリート造の壁と鉄骨造の床?屋根で作られている。箱は必要に応じて閉鎖的にコンクリートの壁で囲われているものもあり、開放的にガラスで囲われているものもある。中の機能にあわせて箱の開放度を決めることができる。
ここで計画されているのは、動的で呼吸をするような波屋根である。構造上は、屋根と下の箱の間にダンパーをかませることで、地震時には波屋根は大きく揺れるが下の箱には揺れをなるべく伝えない構成になっている。熱環境上は、トラスの上面に熱伝導率の高い金属板を置いて遮光しトラスの下面に防水層をおいて、1.5mの高さのトラスの中に空気を流すことで「呼吸をする屋根」になっている。
トラス上面の金属板は太陽熱発電パネルである。また年間を通して温度が比較的一定な海水を熱交換に用いて、空調の効率を上げる技術も採用する。建物全体が持続可能な技術によって支えられている

 


プロジェクト名:
高雄海洋文化流行音楽センター
設計:
北京松原弘典建築設計咨詢有限公司
設計担当: 松原弘典、勝田規央、刘云、李志超,山口一纪,樽味泰子
所在地:北京市通州区
延床面積:118900平米
敷地面積: 32140平米
建築面積: 67410平米
構造: RC+S
設計期間: 2010年5月