Liuliqiao office

●絡みあう動線と渦状建築:
本設計案では、渦状のように回転、上昇してゆく形態をもった建築が地面と海面をつなぐ港埠旅運中心になっている。建物は敷地の形状にあわせて東西に延び、西側の低層部分は3階建ての旅運中心、東側の高層部分は19階建ての港務中心となる。旅運中心では、地面からと海面からの流れが、人は2階で、荷物は1階でそれぞれ連結される。出境動線と入境動線、管制区域と非管制区域ははっきりわけられながらも立体的に絡み合い、これが建物の形状と一致することになる。

●捻られた外装:
本設計案では、低層棟、高層棟をつなぐ、ねじれた大屋根が建物を覆っている。立体トラスで定義された3次元曲面の屋根と壁は、2重のETFE膜かステンレスメッシュで覆われている。雨が入らない完全な室内空間は前者で、雨も入ってくる半外部空間は後者で覆われる。低層棟はほとんどが膜で覆われているが、高層棟は東西面は膜で覆われ強い日射をやわらげ、南北面はメッシュで覆われることで建物全体を覆う共通感を出している。

●高層部と低層部:
低層部分の旅運中心は、出境空間が1階→3階→2階、入境空間が2階→1階という順番で連結され、両者ははっきりと分けられながら立体的に効率よく絡み合っている。高層部分の港務中心は、足元1階から5階までがオフィス以外の空間に、6階から上がオフィスになっている。2つは1階の旅運大庁で連結されている。

●シンボリズム:
捻れた大屋根で囲われた港埠旅運中心は、海に対してシンボリックに立ち、70mしかない高さであっても、対岸から、あるいは海上の船からランドマークとして認識されるはずである。また高層棟はステンレスメッシュで覆われているけれども、これは内部からの視線はさえぎらず、外からの太陽光を弱遮光する効果がある。この高層棟からの海の眺めは、この高雄港海岸沿いの他のオフィスからとは違うように見えるだろう。

 


プロジェクト名:
高雄港湾旅客センター
設計:
北京松原弘典建築設計咨詢有限公司
設計担当: 松原弘典、勝田規央、刘云、李志超,山口一纪,樽味泰子
所在地: 中国台湾高雄市
敷地面積: 24600平米
建築面積: 12030平米
延床時間: 65790平米
設計期間: 2010年8月